富士街道
ふじかいどう
西武柳沢駅の北口を東西に走る道が富士街道です。柳沢北口商店街のメインストリートです。現在は都道8号線となっている富士街道ですが、江戸期から明治にかけては「ふじ大山道(ふじおおやまみち)」と呼ばれていました。
この時代は講(こう:宗教行事においての信者の集団)をなして富士山参詣や大山詣でが盛んに行われており、下練馬方面からこの道を通って富士山や大山に向かいました。 仏教を修行する行者(ぎょうじゃ)も通ったことから、別名「行者街道(ぎょうじゃかいどう)」とも呼ばれていました。また、富士講、大山講などの参詣者が連れ添って旅をする意味の道者(どうしゃ)から、「道者街道(どうしゃかいどう)」とも呼ばれていました。
旧中山道の志村や旧川越街道の下練馬に道標が建っており、当時から重要な道であったことがうかがい知れます。現在も練馬区内に2か所の一里塚跡が残されており、塚はありませんが富士町2丁目付近には以前「一里塚」という小字がありました。なお終点は青梅街道に突き当たる田無町1丁目交差点で、旅人は青梅街道や小金井街道などを通り、府中から先を目指したようです。